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老舗の化学メーカー,トクヤマ https://www.tokuyama.co.jp/ は9月下旬,マレーシア工場を韓国企業へ売却すると発表した。同工場は太陽電池(太陽光発電パネル)に使用される多結晶シリコンの生産拠点で,完成してからまだまもない。しかも,2000億円以上を投じて立ち上げたにもかかわらず,たったの100億円で手放すという。
トクヤマは100年近い歴史を有する山口県の名門企業で,半導体ウエハ用の多結晶シリコンや苛性ソーダ・塩ビ,セメントなど幅広い事業を手掛ける。中でも半導体用シリコンでは,世界3大メーカーの1社に名を連ねる。 同社が将来の新たな柱にしようとしたのが,太陽光発電の世界的な普及で需要が伸びている太陽電池用のシリコンだった。電力代が安いマレーシアでの工場建設を2009年に決定。その工事が始まった2011年には,より大規模な第2工場の建設も決めた。 投資額は第1,第2工場の合計でおよそ2100億円。連結売上高が3000億円規模の同社にとって,これだけの巨費を投じるマレーシア工場建設はまさに社運をかけた一大プロジェクトだった。第1工場は2013年に,第2工場も2014年に完成した。 ■価格は3分の1以下に急落 しかし,この巨額投資が同社の屋台骨を揺るがす。投資決定から工場完成までの間に市況が暴落し,事業計画の前提が根底から狂ってしまった。 2009年当時,太陽電池用シリコンは需要の伸びに供給が追い付かず,1キログラム当たり60ドル以上の高値で取り引きされた。が,半導体ウエハ用と違って,太陽電池用のシリコンは純度などの品質要求がさほど厳しくないため技術的な参入障壁が低く,中国などアジア勢の相次ぐ参入で供給量が激増。大幅な供給過剰に転じて2011年後半から市況が急落し,2012年以降は20ドルを割り込む水準が続いている。 こうした環境下で完成を迎えたマレーシア工場は投資回収のメドが立たず,トクヤマは2014年度に第1工場の設備の減損などで653億円の最終赤字を計上。翌2015年度には,第2工場も設備のほぼ全額について減損処理を余儀なくされ,過去最大の連結最終赤字(1005億円)を出した。 売却先に決まった韓国のOCI社は,太陽電池用シリコンの世界3位メーカー。地元韓国で大きな工場を操業し,低コストオペレーションに長けている。 ■財務体質は大きく毀損 最大の懸案だったマレーシア工場の売却に踏み切ったトクヤマ。前期までに投資額のほぼ全額を減損の形で損失処理済みのため,売却に伴う追加損失は80億円程度にとどまる。株式市場は経営の大きな重荷が切り離されることを好感し,売却発表翌日の同社株価は16%も上昇した。 社運を懸けたプロジェクトの失敗で負った傷跡は大きい。2014,2015年度と2年連続の巨額赤字によって,2013年度末に約2300億円あった自己資本は前2015年度末に500億円台へ減少,40%前後だった自己資本比率も13%にまで低下した。今年6月には企業再生ファンドから200億円の出資を受けて資本増強を図った。 「今後は半導体用シリコンを始めとするコア事業に経営資源を集中しつつ,(ほとんどの品目を生産する)徳山製造所の効率化を進める。収益力を高めて,着実に財務の再建を進めていきたい」とする。 株式会社トクヤマ-企業概要 ・東京本部:〒101-8618 東京都千代田区外神田1-7-5 フロントプレイス秋葉原 ・徳山製造所[本店所在地] 〒745-8648 山口県周南市御影町 1-1 ・代表者 ヨコタ ヒロシ 横田 浩 ・創立 1918年2月16日 沿革 ・資本金 10,000百万円 (2016年6月27日現在) ・従業員数 5,759名 (連結) 1,888名 (単体) (2016年3月末現在) ・業績ハイライト 2016年3月期 (単位:百万円) 連結 単体 売上高 307,115 184,755 営業利益 23,071 25,648 経常利益 17,725 27,216 当期純利益 △100,563 △97,875 Tokuyama is sell the Malaysia plant Tokuyama sells Malaysia factory. 1 PR |
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