>>>ロシア経済のダメージ Damage to the Russian economy
米国防総省や英国防省によると,ロシア軍の車列はキエフ北方から全長60キロもの長さで連なっているが,キエフから約25キロに迫った地点で3日以上ほとんど動いていない。人工衛星画像などの解析から「燃料,食料などを輸送するための兵たんが大破綻している」「多くの車両が次々と泥にはまって動けなくなり,車両を移動させるのが難しくなった」と専門家は分析している。
ウクライナは今,雪や氷が緩み始め,道や田畑は沼地のような泥の海。軍事行動には不利で,燃料や食料補給の遅れは,前線の兵士の士気をさらに低下させているという。
ウクライナ侵攻を受けた日米欧の包囲網で,ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が迫ってきた。制裁による外貨不足で外貨建て国債の利払いができなくなるためだ。国債が〝紙くず〟になれば通貨ルーブルの信認が失墜し,物価が急騰してロシア国民の生活が破壊されかねない。首都キエフ攻防戦が続く中,今月16日から大きな支払期限が相次ぐ予定で,まさに時間との戦いになっている。
ロシア国債がデフォルトすれば通貨ルーブルの価値も暴落する。ロシア国内で輸入品の価格が上昇し,急激なインフレが進む。制裁の効果で既に外国為替市場ではルーブルが急落し,輸入に頼るデジタル製品などの値段が毎日のように上がっているという。国際金融協会(IIF)によるとロシアは今年,物価上昇率が2桁に達し,2桁のマイナス成長になる恐れがある。
ロシアは対外債務の支払いや為替介入に使う外貨準備を過去最大規模6306億ドルまで積み上げてきた外貨準備を使って,為替介入等で通貨防衛を図るだろうが,SWIFTから排除され,中央銀行への制裁も加えられるとなると,通貨防衛は極めて困難となる。ロシアの1月の消費者物価指数(CPI)は前年比8.73%と加速しており,通貨安によってインフレに拍車がかかれば,高インフレを伴う景気悪化,いわゆるスタグフレーションに見舞われることになるとみている。
Putin has repeatedly demanded the demilitarization and neutralization of Ukraine as conditions for a ceasefire.
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