経済同友会の桜田謙悟代表幹事(SOMPOホールディングス社長)は2日の定例会見で、日本政府が韓国に対し、半導体材料の輸出管理を強化する方針を発表したことについて「世界貿易機関(WTO)違反ではなく、政府のメッセージを韓国側が真摯(しんし)に受け止め、早期の2国間関係正常化につながることを期待している」と述べ、日本政府の対応に理解を示した。
今後、報復合戦になった場合の日本経済への影響については「仮定の話」と前置きした上で、「(半導体材料など)日本から韓国向けの輸出に対し、韓国からの輸出は少なく、日本企業への影響は大きな問題にはならない」と話し、軽微と分析した。
日本商工会議所の三村明夫会頭(日本製鉄名誉会長)も1日、「政府の措置は日韓関係を悪化させるためではなく、膠着(こうちゃく)状態を動かしたいという、ひとつの提案」と話した。その上で「課題解決に動こうとしない韓国側に大きな問題がある」とも指摘した。
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◆朝日新聞の批判的な見解
日本政府の外交姿勢に,異を唱えるのが「朝日新聞」。3日の社説で「対韓輸出規制 『報復』を即時撤回せよ」とのタイトルで,日本政府を批判している。
朝日新聞によれば,今回の対韓輸出規制は貿易を政治的目的で利用する「愚行」であり,大阪でのG20(20カ国・地域)首脳会合でまとめた「多国間合意を軽んじる身勝手な姿をさらしてしまった」という。徴用工問題で「韓国政府の対応に問題がある」とは認めながらも,今回の日本政府の「性急な動きは事態を一層こじらせている」とする。